あごひじきのひじきです。
この記事では、私もやっていたネットネット株のデメリットとやめた理由、それに変わる『100年以上前から今日に至るまで一貫して有効だった投資戦略』について記載しています。
安易にネットネット株に手を出すと長期間利益を出せず、資産が塩漬けとなる可能性が高いので注意が必要です。
↓すぐにスクリーニングしたい方は下記リンクでネットネット株のリストに飛べます。(外部サイト)
私は株式投資を始めたきっかけは、ウォーレンバフェットが年率20%を越えるリターンを継続して株で儲け続けていることでした。
そのバフェットは、1949年に初版が発行された永遠のベストセラー『賢明なる投資家』の著者ベンジャミングレアムからその投資の手法を教わっていたのですが、その師匠であるグレアムが提唱した手法が『ネットネット株』を探し出して投資するというものでした。
(ちなみにバフェットは現在これに手を加え進化させたものに投資手法を変化させています。)
始めは私もネットネット株を探し出し投資する方針で株式投資を始めたのですが、思わぬ落とし穴があったので追随する人たちが同じ間違いを犯さないよう、その対策と今後とるべき戦略を紹介します。
※間違っても胡散臭いヘッジファンドに投資して資産を溶かす、なんてことのない様にしてください。
胡散臭いヘッジファンドに投資してはいけない理由
- 市場平均超えを目指して売買を繰り返しているアクティブファンドの8割以上は市場平均に連動したファンドに負けている。
- アクティブファンドは売買を繰り返したり市場調査をすることで、人件費や取引コストが増し信託手数料が高額になる。
→投資家の運用益を大きく圧迫する。 - インデックスファンドなら取引コストを極限まで抑えることができる。
VOO(S&P500に連動)なら信託手数料0.03%水準。
アクティブファンド→1%台など手数料が高額。 - 過去5年、10年程度の運用成績が良くてもいい実績とはならない。
暴落時(00年や08年)を含めた長期のトータルリターンが重要
Contents
ネットネット株とは
ネットネット株とは賞味流動資産をもち、加えて資産価値の3分の2以下で買える株と定義しています。
これは会社の持っている資産額から負債額(借金)を引いた額が、時価総額よりも大きい銘柄に投資するのがいいというわけです。
ネットネット株の見分け方
(流動資産 – 流動負債) ✖ 2/3 ≧ 時価総額
この式でネットネット株であるかどうかを見極めます。
この式は、現金や預金・有価証券など換金性の高いものから借金である負債を引き、2/3に割引きした額と時価総額を比べ、時価総額がそれ以下で売られていればその銘柄がネットネット株であるということです。
上記の計算式よりもさらに安全策を強化したネットネット株の算出方法もありますがこの記事の趣旨とずれるので割愛します。
ネットネット株の落とし穴
- インターネット社会でスクリーニング機能もあるので見つけやすいが、収益性も伴っていないので割安に放置されている事が多く、それらは万年割安株となり迂闊に手を出すと凍死家になる羽目に。
- 1.2銘柄程度見つけて集中投資すれば、必ずやってくる景気循環サイクルの特定の景気局面で一気に資産価値が暴落し狼狽売りのリスクに。
- 提唱者のグレアムも株価が上がるのを待っていられず、自分で株式を大量取得して経営権を握り、企業価値を上げるための取り組みをしている。
企業がめちゃくちゃお金を持っていて、株価がそれ以下の水準にまで落ちて割安感が出ていても、企業に稼ぐ力がなければ株価は上がりません。
例えば、割安に放置されているネットネット株とは、1000万円分の商品(資産)を持っているスーパーがあり、そのスーパーを800万円で売りに出されているということです。
このスーパーを解体してしまえば800万円で買ったスーパーから1000万円分を株主で山分けでき200万のリターンが得られますが(実際には従業員などへの給与等いろいろな経費が発生しますが単純化)、そこから収益が発生して雇用している従業員の生活もあるので即解体なんてことはできません。
しかし、そのスーパーの周りにはほとんど家も建物もなく集客も見込めない場合、これではいくら安く買えたとしても買いたがる人も現れないため株価が上がることなく、下がり続けたり横這い相場となり万年割安株となるのです。
なのでネットネット株保有者は万年割安株にならないために株式を大量取得し、株主としての影響力を高めて企業に働きかけ株価を上げるための施策(自社株買いなど)を進めたり、抜本的な経営戦略を打ち出すなどしなければならないので大変な労力と資金力が必要となるのです。
そもそも会社勤めの傍ら資産づくりをしている私たち個人投資家には経営に口出しする時間の余裕が無いですし、株式を買い集めて影響力を高めるほどの資金力もありません。
さらに、今まで上手に稼ぐことができなかった無能な企業が、私たちが投資した瞬間、とてつもない経営手腕を発揮するなんてこともありえないわけなので収益力の乏しい企業を相手にしていても時間と労力の無駄です。
そうであれば、過去100年以上にわたって長期で高額な利益を出し続けている怪物企業に投資した方が、バリュエーションの高まりによって株価も追随するため、よっぽどか効率よく稼げると言えます。
過去100年以上有効な投資戦略は”永続する事業”を買うこと
現在バフェットは「ネットネット株」を探すのではなく、「事業を買う」ことに専念しており、それは収益力が高く、業界で競争優位性を築いている企業(ワイドモート)に投資するということです。
視野を広げて世界を見渡せば、コカ・コーラ(KO)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、プロクター&ギャンブル(PG)やマクドナルド(MCD)などバカみたいに稼ぐ力のある企業がゴロゴロ転がっています。
これらの企業は生活に欠かせない生活必需品セクターの銘柄として多くの米国株投資家から愛されています。
なぜなら、世界の人口動態は今後2100年にかけて右肩上がりで、現在の76億人から約110億人まで増加して行くわけですが、その分これらの企業が出す製品は欠かせないものとなるからです。
上記のP&GやJNJのように生活必需品を取り扱っている銘柄は今後、その人口増加の恩恵を最大に受けることは安易に予想が付きます。
さらに、米国は世界のジャイアン的存在であるので、その強力な経済力を武器に政治にも活用して自国に有利な約束をバンバン取り付けることができます。
実際、米中摩擦でも米国が中国への関税を引き上げたり、ファーウェイとの取引停止を指示しましたが、中国側は米国に特に有効なダメージを与える術もなく、中国経済は深刻なダメージを負っています。

↓価格弾力性という効果が働き中国経済に深刻なダメージ。

過去200年間を振り返っても今日に至るまで年率6-7%で、過去50年だけを振り返ってみれば中央値で10%-14%、25年の長期投資で見ればリーマンショックや金融危機を経験しても最低9%のリターンを上げていることから、完全右肩上がりの相場環境、他国を従わせる圧倒的政治力と経済力。これによって今後も米国企業の価値は一段と押し上げられるので投資先は米国一択と言っても過言ではありません。
初心者でもできる投資戦略
「タイムイズマネー」という言葉があります。
「時は金なり」ともいうように、あなたの大切な時間を収益力の乏しいネットネット株を割いて探すんでしょうか?
時間を割いた割に、市場平均を少し上回る程度のリターンしか得られなかったら大損です。
資金力・影響力のない我々一般人が経営に参加できるわけもなく、投資先が稼げるようになるまで待ってあげる…そんなのリスキーで安定したリターンも見込めません。
そればかりか凍死家として資産を塩漬けにし過ごす羽目にもなりかねません。
決算書見て項目探して計算して…、あっ・・・これも違うか。。なんて苦労した挙げ句、対象株が万年割安株・低空飛行を長年に渡って続いたなんてこともあるわけです。
第一、資産だけに着目して、収益力が乏しいということはその銘柄に対する”信用不足”に繋がり、手放してしまうリスクにもなります。
そういったリスクを鑑みれば、安定して稼げる世界的企業に投資していた方が安心感が得られますし、同時に大きなリターンや配当も手に入れることができます。
不祥事起こして株価暴落、市場につられ株価暴落、なんて見てらんないです。人口減少によって明治維新まで逆戻りの日本株ならなおさらひどいと思います。
日本株に投資してはいけない理由は、人口動態の影響や企業の株主への姿勢等が挙げられますが、詳細は以下の記事で解説してます。

しかし、そんな悩みを一挙に解決するのが米国市場平均に投資するものです。
主にS&P500指数に連動したものを長期で機械的に買い付ければ、長期的に見て年率6-7%(インフレ調整後)という安定した利益を得ることができました。
過去約50年では年率リターンの中央値は10%を超えています。

また、世界的にインフレは進んでいくので、企業はその分自社製品に価格転嫁していくことで企業収益に直結させることもできます。
さらに、資産を築かなければならない世代が2035年まで増加の一途を辿るので、それに伴い人口拡大の超強気相場が続くものと予想します。

前回(1982-1999)の長期強気相場では年率約15%のリターンでした。
かぶ1000氏も億り人になるまでには23年の月日を要している。
ネットネット株を探し当てるべく膨大な企業を分析して資産を築き上げてきた代表者でもあるかぶ1000氏は、億り人になるまで23年の月日を要していてその年率は10%ほどです。
かぶ1000氏が億り人となった1988年-2011年までの同時期の、米国株の市場平均であるS&P500の25年間リターンを見ると、年率9.28%のリターンがあります。
これはかぶ1000氏と同様に元手40万円からスタートした場合、月10万円積立投資をすれば24年で億り人になれるので、わざわざ大切な時間を割いて小難しい企業分析をしても、S&P500とあまり変わりはありません。
とはいえ、売買による課税があるにも関わらず、市場平均を越えを達成しているかぶ1000氏の分析力や投資手法は本物で、時間に余裕があり、かぶ1000氏のように分析力・忍耐力を兼ね備えていると自負するならばまだまだ有効な手段だと言えます。
しかし、私を含め、仕事の傍ら資産運用をする一般の投資家は、市場規模が縮小して沈みゆく日本の銘柄を徹底的に分析できるような強い想いは無いと思っているので、銘柄分析が必要なく、月1回5分あれば十分運用できてしまうS&P500に投資することをおすすめします。
関連記事です。
投資初心者の方でも、どのように資産運用をしたらいいのかわかりやすく解説しています。

負けないため何に気をつければいいのか。投資の心得をまとめています。株式という資産の特徴をしっかりと理解し、市場に対する心構えができていなければ、投資はすべきではないでしょう。

あごひじきのひじきでした。
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