あごひじきのひじきです。
先日免許の更新でぎりぎり5年前の違反が影響して違反者講習を受けて来たのですが、そこで大きな違和感を覚えたのでその時のことを書きます。
そもそも免許の更新時には講習を受けるのですが、免許の更新が初めてという人以外は、過去の違反回数によって講習時間が変わってきます。優良運転者30分、一般運転者60分、初回更新者120分、違反運転者120分です。わたしは恥ずかしながら、過去5年以内に3点以下の軽微な違反が2回あったので違反者講習でした。
この違反者講習は違反者に対して、交通教本をもとに警察官が指導を行うのですが、この講習の内容がひどい。
そもそも違反者講習は、”違反者に対して”行う講習なので、次に事故を起こさないためにどう気をつけるべきかそれを議論する場である必要があるわけです。
しかし、今回教習を受けて、こんな考え方で本当に事故が減るのか?という内容でした。
なぜなら、横断中の歩行者の死亡事故は、歩行者側に問題があるといった内容だったからです。
以下『わかる、身につく交通教本』より引用
交通事故による死者数グラフ
グラフを見ると死者数は減少傾向にあるものの、高齢者の死亡事故はほぼ横ばいで推移していて、なかなか減っていないのが現状です。とはいえ、日本では高齢化が急速に進んでいるため、なかなか減らないのも納得できます。
以下、本題の『わかる、身につく交通教本』が考える原因。
高齢歩行者の死亡事故の特徴
- 高齢歩行者の死亡事故の多くは道路横断中に発生している。
- 道路横断中の歩行者が左方向からの進行車両と衝突する事故が多く、特に夜間は、高齢者ほどこのような事故に遭うことが多い
その要因として、高齢歩行者は、
- 左方向からの進行車両との距離を十分に確保しないまま、横断可能と判断してしまう
- 安全確認から横断開始まで数秒を要してしまう
- 横断中は左右を確認しないなどの特徴が挙げられます。
上記にもあるように交通教本の中では、高齢者の死亡事故の多くが道路横断中に発生しているとする一方、その原因を高齢者の身体能力と目測の誤りであると結論づけています。
今回私が講習を受けたときも、この本の内容以上のことには触れられず、一方的に高齢者が悪いような言い方でした。
高齢者の身体能力が低下していることが1つの要因とは言えますが、運転者側にも気をつけれることがあるわけで、そもそも冒頭でも述べたように、違反者に対する講習なのだから、高齢者に原因があると結論付けるのではなく、運転者側の気をつける点を挙げるべきです。
具体的に運転者側の対策は、ながら運転をしない事とハイビームの活用、死角に対する注意です。
携帯など操作することによって前方の注意が散漫になってしまうのは言うまでもないので省きます。
上記の資料を見ると夜間、左からの車の事故が右からの車の事故よりも2倍以上事故を起こしていることがわかります。
これは運転していればわかると思いますが、高齢者の能力以前に、ピラーによる死角が原因と考えられます。
理由:車から見て左から来る歩行者は運転手(席が右側)から発見しやすい。
車から見て、右側から来る横断者は発見しづらい。
このように、夜間で見づらいことに加えて、ピラーによる死角で歩行者の発見が遅れることが事故につながるわけで、決して高齢者だけの責任ではないことがわかります。
同様に右折時にも、同じことが言えます。右折時には左折時に比べて事故が多くなっています。その理由は下記が挙げられます。
- 左折時よりも速度が出ていること
- ピラーの死角により歩行者に気づきづらい。
- 対向車に気を取られ、その先にいる歩行者を見ていない。
また、車種によって死角が大きく異なることも大きな原因の一つと言えます。
ハイエースなどのワンボックスカーに乗ったあと、プリウスやアクアなどのコンパクトカーに試乗してみるとわかりますが、ワンボックスカーに比べてコンパクトカーのフロントガラスから見える景色は3分の1程度しかありません。(私見です)
これはフロントガラスに角度がついていて上下の視界を遮られていることに加え、バックミラーが中央の視界を占領、加えて両サイドのピラーが大きく視界を占領しているからで、ボックスタイプに乗り慣れている運転者からすれば、コンパクトカーは運転しづらくてしょうがない。
自動車は交通に欠かせない便利な道具ですが、気を緩めれば、即人生終了させることのできるリスクの高い道具なので、運転する際には細心の注意を払って望むべきです。
まとめます。
そもそも運転者は轢きたくて轢いているわけではありません。(もちろん注意力が不足していたり悪意のある輩もいるわけですが。)そうであれば、運転中、何に気をつけるべきか、運転者側が事故を起こさないためにできる対策を講習を通じて(あらゆる方法で)伝えるべきであり、データを活用して対策をもっと広めるべきです。
この教本や講習のような責任を押し付けた思考停止型の内容では、根本的な解決に1ミリも役立たないため、一刻も早く改めるべきです。
あごひじきのひじきでした。
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