【米中貿易戦争】中国からの輸入品に関税を課すことは輸入している米国企業に悪影響か。【価格弾力性】

市場予想

あごひじきのひじきです。

 

米国家経済会議(NEC)のカドロー議長は中国側に関税を多く払わせたいトランプ大統領に対し、「関税を多く払うのは、中国から輸入する米企業」と、先日行われた追加の制裁関税を批判しました。

実際、この発言が示すように中国への関税引き上げは、その中国から輸入している米国企業の負担になります。なので、この関税通り10%から25%へと価格が上がるのであれば、米企業への打撃となります。

しかし、今回の引き上げが本当に米国企業に大きな打撃となるかというとそう悲観的になる必要はありません。

昨年に中国に対する制裁関税の引き上げが、7月、8月、9月に行われたわけですが、いずれも米の消費者物価指数は横ばい~僅かに減少にとどまる一方で、中国の生産者物価指数は前年同月比の4.7%から0%近辺まで大きく落ち込みました。

さらに、S&P500種指数を見ると、米中関税を課してから10月までに約6%上昇した一方、上海総合指数は徐々に上値を切り下げていく結果となりました。

なぜ米国への影響が軽微なものにとどまったのかというと、そもそも関税をかけることのできる米国の輸入額が5000億ドルにも上る一方、中国は米国から1300億ドルしか輸入していないためかけることのできる関税の規模が全く違うからです。

他にも中国からの輸入品に対し価格弾力性という力が働いたため、米国経済の受ける影響が限定的にとどまった要因として挙げられます。

価格弾力性とは、モノの値段が1上がったときにそれに対して需要にどの程度落ち込むのか示す指標で、その指数が1を超えれば、価格がその製品の需要に対して大きな影響を持っているということになります。

1を上回る製品、つまり、価格高騰により需要の落ち込みが激しい製品は、安いだけで買われている競争力の無い製品であり、代替品が簡単に見つかる製品となります。

日経新聞の調査によれば、中国から輸入する製品の約7割の製品が価格弾力性が1を上回る製品だったとの調査結果が出ています。

このような価格弾力性の高い製品は、技術力を必要とせず安価な人件費が確保できれば、容易に製造できてしまうため、中国企業には関税強化分の価格押し下げ圧力がかかることは確実です。また、制裁関税分値下げをしないのであれば、安価な製品を求めて他国・他企業に乗り換えられる公算が高いため、中国経済はますます失速すると言えます。

とはいえ、追加の制裁関税の検討を始めた3250億ドル分のリスト4には、iPhoneなどのスマホに使われる電子部品やパソコン、おもちゃなど家計を圧迫するような消費財も多く含まれていることから、これらすべてに関税をかけられれば、米国にも打撃があることは確実です。

しかし、来年に選挙を控えていることや、今まで家計へ直接的に影響のある製品を避けてきたこと、トランプ大統領は株価をかなり重視していることなどを考えれば、リスト4すべてに関税をかけて経済失速、株価暴落させることは考えづらいです。

また、中国への関税引き上げによって、米国へと産業が回帰すれば、ますます米国が急速に発展する要因となりそうです。

 

あごひじきのひじきでした。

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